イニシアチブ・外部評価
気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同
1. TCFDの概要
TCFDとは、G20財務大臣・中央銀行総裁会議の要請を受け、金融セクターが取り組むべき気候関連課題を議論するために金融安定理事会(FSB)が2015年に設立した国際イニシアチブのことを指します。TCFDでは、気候変動のリスクと機会がもたらすビジネスへの影響について、金融機関や企業が投資家を含むステークホルダーに対して、どのように情報開示していくかを議論し、提言を公表しています。

2. 本投資法人及び本資産運用会社のサステナビリティへの取組み
本投資法人及び本資産運用会社においては、本資産運用会社が、環境(Environment)・社会(Society)・ガバナンス(Governance)(併せて以下「ESG」といいます。)への配慮が本投資法人の中長期的な投資主価値の最大化につながるという考えのもと、2016年3月に「サステナビリティ方針」を策定したことをはじめ、本投資法人及び本資産運用会社は、環境への配慮やお客様(テナント・利用者)の満足度の向上、地域社会への貢献に係る取組み、利益相反取引防止の実効性を高める取組みなど、ESGに配慮した取組みを継続的に実施してきました。
ESGの要素を投資判断に組み込むESG投資が世界的に広がる中、気候変動に対するリスクと機会の開示枠組みを提唱するTCFDの提言は、様々な気候変動対策に積極的に取り組むきっかけとなる重要なツールと考え、本資産運用会社は、当該提言の趣旨に賛同しました。
本投資法人及び本資産運用会社は、今後、TCFDが提言する情報開示フレームワークに即した開示を目指してまいります。
温室効果ガス(GHG)排出量削減目標のScience Based Targetsイニシアティブ(SBTi)による認定の取得
SBTiとは、CDP、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)が共同で運営する国際イニシアティブです。SBT(Science Based Targets、科学的根拠に基づいた排出量削減目標)は、パリ協定(世界の気温上昇を産業⾰命前より2℃を⼗分に下回る⽔準に抑え、また1.5℃に抑えることを⽬指すもの)が求める水準と整合した、企業が設定するGHG排出量削減目標を指し、SBTiはSBTを設定する企業を認定しています。
本投資法人は、GHG排出量削減目標を策定し、これらの目標が、パリ協定が求める水準と整合し科学的根拠に基づくものであるとして、2024年11月にSBTiによる認定を取得しました。なお、中小企業版でない、いわゆる「通常版」の申請プロセスでのSBTiによる認定取得はJ-REIT初となります(※)。
- 認定取得申請時において、本投資法人はSBTiが設定する企業区分の中小企業に該当しないことから、いわゆる「通常版」のSBTの認定基準に合致する形でGHG排出量削減目標を策定、申請し、認定を取得しました。

CDP気候変動プログラムへの参加
本投資法人は、2023年からCDP(※)気候変動プログラムへ参加しており、2024年のCDP気候変動プログラムにおいて、「B」スコアを取得しました。
- 2000年に英国で設立された、企業や自治体を対象とした世界的な環境情報開示システムを運営する国際環境非営利団体。毎年実施される環境情報開示とその評価プロセスは、企業の環境情報開示におけるグローバルスタンダードとして広く認知されています。

GRESBリアルエステイト評価結果
1. GRESBについて
GRESBは、不動産会社・ファンドの環境・社会・ガバナンス(ESG)配慮を測る年次のベンチマーク評価及びそれを運営する組織の名称であり、責任投資原則(PRI)を主導した欧州の主要年金基金グループを中心に2009年に創設されました。
投資先の選定や投資先との対話にGRESBデータを活用する投資家メンバーは、現在約150機関に上り、日本でも、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をはじめ、複数の機関がGRESB評価結果を利用しています。2024年に実施されたGRESB リアルエステイト評価には、世界で2,223の上場・非上場の不動産会社・ファンドが参加しました。
GRESBに関する詳細については、GRESBのウェブサイト(https://gresb.com/nl-en/)をご参照ください。
2. 評価結果について
ヒューリックリート投資法人(以下「本投資法人」といいます。)は、2024年に実施されたGRESBリアルエステイト評価において、環境配慮やサステナビリティに関する取組みについて「マネジメント・コンポーネント」及び「パフォーマンス・コンポーネント」の両面で共に高い評価を受け、「GRESBレーティング」においても、「4 Star」を取得し、同時に8年連続で「Green Star」を取得しました。
また、環境配慮やサステナビリティの取組みに関する情報開示が優れていることが評価され、2017年度より導入されたGRESB開示評価において6年連続で5段階のうち最高水準となる「A」の評価を取得しました。

ARES ESG AWARD 2024における「グッドアクション賞 社会部門」受賞
ARES ESG AWARDは、JリートのESG取組みの底上げと投資家等に対するESG取組みのアピールを目的に、ARESにより創設されたJリートを表彰する制度です。本アワードは、既存の外部格付・認証制度のように各銘柄のランク付けをするものではなく、ユニークな取組みを表彰し、広く業界内外に共有することで、J-REITのESGに関する取組みが進化すること、ひいては投資家や市場に対する業界のESGへの取組みのアピールに繋げることを狙いとするものです。
ARES ESG AWARD 2024において、本投資法人の資産運用会社(ヒューリックリートマネジメント株式会社)の取組みである、従業員表彰制度によるESG活動支援について、各従業員が自己啓発のための様々な取組みをサステナビリティと絡めて実践し、その取組みを人事評価に加えて従業員表彰制度を用いて評価することでサステナビリティ推進のための組織風土を醸成しようとしている点が画期的であると評価され、「グッドアクション賞 社会部門」を受賞しました。


第三者認証機関のグリーンビルディング認証
DBJグリーンビルディング認証

取得年 | 評価 | 物件名 |
---|---|---|
2023 | ★★★★★ | ヒューリック浅草橋ビル |
2023 | ★★★★★ | 御茶ノ水ソラシティ |
2023 | ★★★★ | ヒューリック虎ノ門ビル |
2025 | ★★★★ | 虎ノ門ファーストガーデン |
2025 | ★★★★ | 大井町再開発ビル1号棟 |
2025 | ★★★ | 大井町再開発ビル2号棟 |
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)

取得年 | 評価 | 物件名 | |
---|---|---|---|
2018 | ★★★ | ヒューリック虎ノ門ビル | ![]() |
2019 | ★★★★★ | HULIC &New SHIBUYA | ![]() |
2019 | ★★ | トラストガーデン常磐松 | ![]() |
2019 | ★★ | 相鉄フレッサイン東京六本木 | ![]() |
2020 | ★★★★ | ヒューリック目白(注1) | ![]() |
2020 | ★★★ | ヒューリック神田ビル | ![]() |
2020 | ★★★ | ヒューリック浅草橋ビル | ![]() |
2020 | ★★ | ヒューリック浅草橋江戸通(注2) | ![]() |
2020 | ★★ | HULIC &New SHINBASHI(注3) | ![]() |
2020 | ★★ | チャームスイート新宿戸山 | ![]() |
2021 | ★★★★★ | ヒューリック志村坂上 | ![]() |
2021 | ★★★ | ヒューリック神田橋ビル | ![]() |
2021 | ★★★ | ヒューリック両国ビル | ![]() |
2021 | ★★★ | ヒューリック八王子ビル | ![]() |
2021 | ★★ | ヒューリック恵比寿ビル | ![]() |
2021 | ★★ | ヒューリック中野ビル | ![]() |
2022 | ★★ | ヒューリック麹町ビル | ![]() |
2023 | ★★★ | ヒューリック神保町ビル | ![]() |
2025 | ★ (注4) |
相鉄フレッサイン銀座七丁目 | ![]() |
- ヒューリック虎ノ門ビル
- HULIC &New SHIBUYA
- トラストガーデン常磐松
- 相鉄フレッサイン東京六本木
- ヒューリック目白
- ヒューリック神田ビル
- ヒューリック浅草橋ビル
- ヒューリック浅草橋江戸通
- HULIC &New SHINBASHI
- チャームスイート新宿戸山
- ヒューリック志村坂上
- ヒューリック神田橋ビル
- ヒューリック両国ビル
- ヒューリック八王子ビル
- ヒューリック恵比寿ビル
- ヒューリック中野ビル
- ヒューリック麹町ビル
- ヒューリック神保町ビル
- 相鉄フレッサイン銀座七丁目
- B1~4Fテナント部除く
- 1F~5Fテナント部除く
- 2・3F、B1・1Fテナント部除く
- 2024年4月1日に開始された新BELS制度による評価となります。
CASBEE不動産評価認証

取得年 | 評価 | 物件名 |
---|---|---|
2021 | ★★★★★ | ヒューリック神田橋ビル |
2021 | ★★★★★ | ヒューリック蛎殻町ビル |
2021 | ★★★★★ | ヒューリック麹町ビル |
2021 | ★★★★★ | ヒューリック目白 |
2021 | ★★★★ | ヒューリック神田ビル |
2021 | ★★★★ | ヒューリック両国ビル |
2021 | ★★★★ | ヒューリック浅草橋江戸通 |
2021 | ★★★★ | ヒューリック中野ビル |
2021 | ★★★★ | ヒューリック八王子ビル |
2022 | ★★★★★ | ヒューリック東上野一丁目ビル |
2022 | ★★★★★ | ヒューリック神保町ビル |
2022 | ★★★★★ | 大井町再開発ビル2号棟・大井町再開発ビル1号棟(注) |
2022 | ★★★★★ | ヒューリック神宮前ビル |
2022 | ★★★★ | 番町ハウス |
2023 | ★★★★ | ヒューリック王子ビル |
2023 | ★★★★★ | ヒューリック小舟町ビル |
2024 | ★★★★★ | ヒューリック神谷町ビル |
2024 | ★★★★★ | 虎ノ門ファーストガーデン |
2024 | ★★★★★ | 御茶ノ水ソラシティ |
2024 | ★★★★ | ヒューリック高田馬場ビル |
2024 | ★★★★ | ヒューリック渋谷一丁目ビル |
2024 | ★★★★ | HULIC &New SHIBUYA |
2025 | ★★★★ | ヒューリック五反田山手通ビル |
- 大井町再開発ビル2号棟・1号棟を一体の建物として認証を取得しています。
- ヒューリック神田橋ビル
- ヒューリック蛎殻町ビル
- ヒューリック麹町ビル
- ヒューリック目白
- ヒューリック神田ビル
- ヒューリック両国ビル
- ヒューリック浅草橋江戸通
- ヒューリック中野ビル
- ヒューリック八王子ビル
- ヒューリック東上野一丁目ビル
- ヒューリック神保町ビル
- 大井町再開発ビル2号棟
- 大井町再開発ビル1号棟
- ヒューリック神宮前ビル
- 番町ハウス
- ヒューリック王子ビル
- ヒューリック小舟町ビル
- ヒューリック神谷町ビル
- 虎ノ門ファーストガーデン
- 御茶ノ水ソラシティ
- ヒューリック高田馬場ビル
- ヒューリック渋谷一丁目ビル
- HULIC &New SHIBUYA
- ヒューリック五反田山手通ビル
CASBEEウェルネスオフィス評価認証

取得年 | 評価 | 物件名 |
---|---|---|
2024 | ★★★★★ | ヒューリック虎ノ門ビル |
JHEP認証(ハビタット評価認証制度)

取得年 | 評価 | 物件名 |
---|---|---|
2022 | A | アリスタージュ経堂 |
2023 | A | グランダ学芸大学 |
2024 | A | チャームスイート新宿戸山 |
2024 | A | チャームスイート石神井公園 |
第三者保証
本投資法人は、信頼性の確保のため、独立した第三者機関であるEY新日本有限責任監査法人による限定的保証を受けています。
- 第三者保証報告書原本は本投資法人が別途保管しています。
2025年4月17日時点